“暗い話を聞きたいが、笑って聞いていいのかな”


星野源 『くせのうた』
http://www.youtube.com/watch?v=uYJS0O-9tIc

飲み会の最中か、はたまた仕事や学校の帰り道か、
ちょっと好きになって気になる女の子のことをもっと知りたくて
「君の癖ってなに?」と話しかけてみようと思って、
“あーでもこんなこと聴くとなんかキモいだろうか。ウザいだろうか”
と思って止める。

だけれども、やっぱり聴きたい知りたいと思い立って
「君の癖はなんですか?」と話しかけるまで。
よくよく聴くとそれだけの歌なのだけど。
やっとそれを声に出して話しかけられるまで、
そのプロセスをていねいにこまやかに歌う。

いま読んでいる最中の中原昌也の自伝の一節にこんなものがあった。

    世界はどんどん多様性を失い、多くを感じない人のものになっている。
    人間が進むべき道は、どんな些細なものからも多くの意味を受け取ることだろう。
    しかし、現実は逆。
    《中略》
    万物と接続する回路のない人の痛みなんて、お前だけの痛みだろう。
                       - 中原昌也『死んでも何も残さない』 新潮社 ー 

オカルトムービーに「イカれた」自伝的文章のなかにあって、
急にグサッと突き刺してくる一文。
“知りたいと思うには 全部違うと知ることだ”と歌う『くせのうた』から
ジワッと伝わってくるものと似てる。

理由と行動、原因と結果の間にあるものをはしょらずに
ていねいにていねいに追って思い考える。

“寂しいと叫ぶには 僕はあまりにくだらない”
なんて歌う人はいなかったなぁ。
「君の癖はなんですか?」と話しかける時、
その人はきっといい顔をしているにちがいない。


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by hiziri_1984 | 2013-03-02 11:16 | お酒を頂きながら鑑賞  

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