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競馬をおもしろくしてくれるのは、いつも言葉だ。


競馬をおもしろく感じる瞬間は、やはり、そこに物語を見つけた時だ。

血統、因縁、念願、復活、絶望、奇跡、伝説・・・

ともすれば、白々しく、寒々しく響いてしまうような大仰な言葉を
受け入れる器のでかさが、競馬にはある。

2012年度、JRAのCM「The WINNER」シリーズがいい。

高松宮記念 (キングヘイロー)
http://www.youtube.com/watch?v=7PoNbuwP8ts&feature=relmfu
面子がこんなにかっこいいのは、新しい。

桜花賞 (メジロラモーヌ)
http://www.youtube.com/watch?v=aJPiK8_v-Hk&feature=relmfu
牝馬史上最も美しい青鹿毛が、赤と黒の対比で鮮烈。

皐月賞 (アグネスタキオン)
http://www.youtube.com/watch?v=oYKAOuSZ5B0&feature=relmfu
“超高速の粒子(タキオン)”を顕微鏡とカレイドスコープで表現している。

天皇賞(春) (ライスシャワー)
http://www.youtube.com/watch?v=IByGQF-123o&feature=relmfu
“極限まで削ぎ落とした体に、鬼が宿る”

それぞれ知っている馬とそのレースであるだけに、興奮もひとしおだ。
スポットをあてる名馬を、昨年のCMシリーズに比べて、
やや王道からズラしているようだ。
個人的には、日本ダービーをサニーブライアンで、
確信犯的な事件という感じでやってほしい。
(タイトなスケジュールで制作してるんだろうなぁ)

一昨年までの「CLUB KEIBA」は新規ファンの獲得が
狙いだったと思うけれども、
昨年の「20th CENTURY BOY」シリーズといい、
今年の「The WINNER」といい、
これでもかというぐらい競馬ファンど真ん中の
サラブレッドレジェンド表現。
おそらくは、不況で競馬離れした元ファン(特にM1層とそのちょい上くらい)の
リマインドが狙いだろう。

わかりやすいくらい、モロな「かっこよさ」。
思う壺だが、ワクワクする。
映像、音、そしてナレーション。
すこしくらい饒舌でもいい。
競馬をこんな風に劇画チックに語る表現は、少ない。
書籍やドキュメントだと妙にしめっぽくなってしまうきらいがあるし。
(それはそれでいいんだけれども)

サラブレッドは、ただひたすら勝つために走る。
実況も。書籍も。CMナレーションも。
その疾駆する姿に物語を見て、想いを重ねる。
ゾクゾクする。
今年は、賭けてもみよう。

ちなみに、サラブレッドの走りを、見る人の生き方や人生観に響かせる
昨年CMシリーズの方が、コピーに深みがあるとは思う。
http://www.youtube.com/watch?v=7AiJq_Kg-bs&feature=related

by hiziri_1984 | 2012-04-16 00:43 | お酒を頂きながら鑑賞  

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