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『ツーリスト』

横浜の映画館「ムービル」で『ツーリスト』を観た。
この映画館に来るのは、高校生時代以来約10年ぶり。
当時は、「相鉄ムービル」だった。
館内の広いスペースの割りにお客がいないのは、当時と変わらない。
劇場内のイスの固さも多分当時と変わらない。(2時間座るにはキツい)

で、作品はというと(※ネタバレします)、
美しき貴婦人エリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)が、
マフィアの金に手をつけ姿をくらましている恋人ピアーズからの
手紙を受け取るところからはじまる。
その手紙には、
「リヨン駅発の列車に乗って、車内で僕と似た男を探せ」という指示が書いてある。
(この後、行く先々でピアーズからの指令手紙が彼女のもとに届く)
つまり、この手紙の内容をクリアしていけば二人は再会できるというわけだ。
そして、警察の手を逃れ、指示通り列車に乗り、
「僕と似た男」・数学教師フランク(ジョニー・デップ)に声をかける。

で、かくかくしかじかあり、
実はこのフランクがそのビアーズ本人だったというオチ。
つまり、ビアーズは整形していたわけです。
(ちなみに、もともとビアーズがどんな顔だったかは分からない)

登場人物が多いわけではないので、
オチは大体予想できるわけだけれども、
別段そのオチにがっかりはしなかった。
(けっこうオチの如何が注目されている作品だったので)

なぜ、がっかりしなかったというと、
エリーズもまさかフランクが恋人・ビアーズであるとは思っていなかった
というように一見描かれているが、実はそうではなくて、
エリーズは最初からフランクの正体を知っていた、
という見方もできると思ったからだ。

エリーズは、警察とマフィア両方から追われているピアーズが、
整形するくらいの可能性はあると理解していて、
だから「車内で私に似ている男を探せ」という彼氏・ビアーズからのメッセージには
「俺は整形している。それでも俺のことを俺と分かるか」
(顔・カタチが変わろうとも分かりあっているよね僕ら、的な)という意味が
含まれていることを、エリーズは承知していたのではなかろうか、と。
(ずいぶん身勝手な彼氏だ)

つまり、最初の電車での似た男探しで、
この映画は再会のクライマックスを迎えていたんだ、と。

その後、色々あるが、
結局、追うマフィアも、それを追う警察も、
二人の恋を盛り上げる演出に過ぎない。
(アクションは全くハラハラしない出来ですが…)

そういった意味で、『ツーリスト』は、
恋人同士が(整形までして)“再”恋愛していく。
そんなドラマだと思った。

最近なんだかマンネリ気味なんだわ。
という男女は、この作品に大いに鼓舞されて、
なんならプチ整形くらいするなどして、
再恋愛をふたりで愉しみ、行き詰まった関係性を打破する、
というのもありだと思う。

しばらく見ぬうちに、
アンジェリーナ・ジョリーは熟女感に磨きがかかっていて、
ジョニーデップはやや貫禄が出ていた。

そう、深い関係を築きあげた大人だからこそできる
この“再”恋愛ストーリーは、
若い役者では駄目なのだ。

それにしても、この作品タイトルはないだろうという気持ちは
観る前からずっと変わらなかった。

by hiziri_1984 | 2011-04-03 23:52 | 映画館で観る  

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