抱き合う前に陽を落とす


部屋の天井からぶら下がっている電灯。

この電灯の、明るく点灯している状態と消灯したオフの状態の間、

オレンジ色に灯っている状態を

ふつう、人は何と呼んでいるのだろうか。


あれを、自分は子どもの頃から「夕方」と呼んでいる。

煌々と点灯しているのが「朝・昼」、消せば「夜」。

その間だから夕方。色も夕方。


ふと思い出したのだけれど、

幼少の頃、従姉妹のうちにお泊まりに行った時、

従姉妹家族はあれを「ジャック」と呼んでいた。

初めはなんのことを言っているのか分からなかった。

では明るい状態は何と呼ぶのか。「ジョン」か。

今も謎のままだ。


そもそもなぜこの夕方が

電灯に備え付けられているのか。

これが、真っ暗だと怖くて眠れないからではなく、

夜の営みのためにあることを

大人になったその夜にそっと悟った。

(本当の理由がどうであれ)


消したい女性と見たい男性の妥協点。妥協灯。

カチッと部屋を黄昏時にして、

みんな抱き合っているのだろうかと、

勝手に感慨深けになったりもした。


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by hiziri_1984 | 2014-01-30 02:51 | 散文  

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