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拝聴、立川談志

ふと思い立って、
立川談志の『白井権八』『金玉医者』を聴く。
話そのものもさることながら、枕で
歴代の名人たちのネタを切り張りして話をつくるところが
何度聴いてもおもしろい。とても好きである。
この人の志ん生のモノマネは本当にうまい。

かつて、立川談志がしきりに“イリュージョン”と言っていた世界は、
落語でいう人情話とか滑稽話とか、いわゆるカテゴリーに拠らない、
型を持たない話芸ということであったと思うけれども、
その脈略のない不思議な会話のやりとり、というかコトバの衝突に
おもしろいと感じる前に、えらく衝撃を受けた。

「笑い」として成立していたかどうかはさておき、
それはとても実験的で、自分としては筒井康隆の諸作品などが思い起こされたりして、
(近作では反復を取り入れた『ダンシング・バニティ』とか)
すごく刺激的だった。

もっと聴けば、あたらしい発見があるなと、改めて聴いて思った。
もう高座は見られぬけれども、
作品は今の段階でかなりまとめられているはずなので、
ぜひとも聴かなあかん。

by hiziri_1984 | 2011-11-26 23:33 | お酒を頂きながら鑑賞  

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