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『GANTZ PERFECT ANSWER』

佐藤信介監督『GANTZ PERFECT ANSWER』を観た。

1作目を観て、全然アカンかったけど、
2作目こそはと、少しは期待したが、
駄目であった。

タイトルに「PERFECT ANSWER」とあるし、
やはりここは、原作のコミックでもまだ判明していない、
「GANTZって何?」という謎への答え(佐藤監督の解釈)を期待して、
少なくとも原作読者の多くは映画館へ足を運んでいる、と思う。

結果、その謎は映画の中でも謎として、
ほぼ横すべりさせたまま、エンディングを迎えた。
がっかりした。(以下ネタバレします)

いや、まあ、一応は謎に対する答えはあった。
本作で、あの黒い球体は、「死」の恐怖・不条理の象徴として描かれた。
ラスト、玄野が黒い球体内部に入り、GANTZそのものとなることで、
愛する人のために死(の恐怖)を乗り越えるのだ。

しかし、玄野たちが戦う理由を「愛のため」や「平和のため」という
わかりやすいものにしてしまうと、
原作「GANTZ」がもつ面白さがほぼすべてと言っていいほど、損なわれてしまう。
なぜかというと、
「なんだかわからないけど、戦わされている。しかも、戦って勝たなければ死ぬ」という不条理さが、
「GANTZ」の面白さの原動力になっていると思うからだ。
GANTZに指令されて戦うことを
「愛する人のため」「みんなのため」というあまりに健康的な正義に変えてしまうと、
悪夢のようで不気味なGANTZの世界観が崩れ、原作読者の多くは共感できないと思うし、
裏切られたような気持ちになる。(原作のラストがどうなるかは、分からないけれども)
そもそも、GANTZが死であるならば、星人と戦っているここはどこなんだという、
疑問は置き去りのままであるし・・・。

VFXとか、映像としての凄さをやりたかったのか。
いやいや、これなら10年も前だけど『マトリックス』の方が全然凄いぞ。

結果、「なんで映画化したのだろう」と思った。
がっかりした。
『GANTZ PERFECT ANSWER』_e0218019_2562072.jpg

by hiziri_1984 | 2011-05-07 23:18 | 映画館で観る  

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