怖いものは嫌いだけれども、好奇心でついつい見たくなる。聴きたくなる。
「サイレン(SIREN)」というホラーゲームがある。
サウンド・サイコ・スリラーという触れ込みの通り、
謎のサイレン音がストーリーテーマになっている。
その音というのが不気味で怖い。
ホラーゲーム「サイレン」は、
TVCMがあまりに怖すぎて放送禁止になってそれでかえって話題になったり、
実際の内容も完成度が高く、
ホラーゲームの金字塔になった。
(ちなみに放送禁止になったCMはYouTubeで見れます)
その後、ゲームが売れたこともあって映画化された。
7、8年くらい前の話だ。
当時のある日、夜中にたまたま点けたラジオ番組で
映画「サイレン」の音響制作スタッフが、
宣伝がてら出演して作品の見どころを話していた。
そのうち例のサイレン音について話が及ぶと、
音響マンの彼は
「実は、あのサイレン音の中には、人が恐怖を感じずにはいられない“ある音”が入っているんです」と語った。
MCが「その音はなんですか」と尋ねると、
彼は言った。
「女性の声なんです」
一瞬スピーカーの向こうがしーんとなった。
台本にない内容だったのか、MCも黙ってしまい
その後やっと「怖っ!」と言った。
音響マンの彼曰く、
人が怖いと感じる音質や音の高さなどを追求した結果、
ある一定の高さで発せられる女性の声に辿りついたらしい。
それも女性ならそのほとんどが出せる声なのだそうだ。
不気味過ぎだ。
(ちなみにその声はアノ時の声に近いそうです。興味深い)
気になった方はゲームをプレイしてみるとよいと思う。
他にも、サイレンと言えば「国民保護サイレン」。
核ミサイルが発射されたとか大規模テロが起こったとか、
日本に何らかの武力攻撃があった有時に鳴る警報。
その存在さえ知らなかったこともあって、
初めて聴いた時は戦慄した。
これもYouTube、もしくは内閣官房国民保護ポータルサイトで聴ける。
聴くとなんとも言えない気分になる。
緊迫感があるのと同時に、なぜかしら諦めにも似た感情が湧く。
このサイレン音には、警告を促しつつも、
パニックや暴動を防ぐための鎮静効果があるのではないかと思う。
しかしながらこのサイレンこそ本当に一生聴きたくない。
こんな寒い時期に、ちょっとゾクッとする音のお話でございました。
※自主制作zine寄稿記事